はじめに
「病院薬剤師による薬剤師のための研鑽日記」にお越しいただき、ありがとうございます。
このサイトでは、主に薬剤師や薬学生向けに、臨床に関する疑問を解決する記事やニュースを紹介しています。他の医療従事者にも参考になる部分があるかもしれませんが、内容は薬剤師の視点から書かれていますので、その点をご理解いただければ幸いです。
なお、現在治療を受けている方々は、薬物治療に関する具体的な質問や疑問については、必ず担当の医療機関へご相談ください。当サイトの記事は一般的な情報を提供していますが、実際の治療は各医療機関が患者さんごとに適切に判断し決定しています。どうかご了承いただけますと幸いです。
私が薬剤師になった経緯
幼少期から薬のお世話になっていた
私は幼い頃から慢性蕁麻疹に悩まされており、薬で症状が改善する一方で、副作用で眠くなるという経験に、幼いながらも興味を抱いていました。
中学生の時には急性胃腸炎(イレウス)で入院し、その際に親から「ピルブック」という一般向けの薬の本を渡され、さらに薬への興味が深まりました。このことが、薬の世界に足を踏み入れる大きなきっかけとなりました。
勉強は得意ではなかったが、化学だけは違った
私は勉強が得意なタイプではなく、興味がないことは長続きしない性格でした。ただ、スポーツはそこそこ好きで、中学・高校ではハンドボール部に所属していました。しかし、成績は全般的に芳しくなく、唯一、化学だけは面白く感じ、熱心に取り組んでいました。
「化学が得意なら薬学部に行けるだろう」という単純な発想で、薬学部への進学を目指しました。国家資格という点でも将来性があり、自然と薬剤師の道を考えるようになったのです。
大学生活と薬剤師への道
ハンドボールを引退してから受験勉強を本格化させましたが、結果は関東圏の薬学部は全て不合格。地方の薬学部へ進学することになりました。
大学では一人暮らしや部活動(アメリカンフットボール)、遊びを楽しみながらも、4年生での病院実習を通じて「薬剤師ってこんなに勉強しているんだ」と感銘を受け、臨床薬剤師としての将来に強く惹かれるようになりました。
そのため、さらに深く学びたいと思い、大学院進学を決意しました。特に臨床薬学を本格的に学べるコースを選び、海外研修も視野に入れて都内の大学院へ進学しました。
薬剤師になった後
大学院進学後
大学院進学後は、調剤薬局やドラッグストアでアルバイトをしている中で病院薬剤師が良いのではないかと考えました。大学院ではアメリカからの交換留学生との交流を通じて、海外の薬剤師の魅力にも惹かれるようになりました。
さらに縁があり、タイのKhon Kaen Universityで1ヶ月間のがん化学療法研修を行う機会も得ました。この経験を通じて、日本と海外の薬剤師の実力には大きな差があることを感じました。
海外の薬剤師に共通していることは、Evidenceにしっかり基づいて薬物療法を行なっているということと、患者さんの病態について医師としっかりディスカッションをしているということです。患者さんのCTやレントゲンなどの画像を他のスタッフと供覧し、ディスカッションしている姿はとても印象に残りました。
就職後
卒業後は都内の大学病院に就職し、内服薬や注射薬の調剤、手術室、ICU、医薬品情報室など、多岐にわたる業務を担当しました。
経験を重ねる中で、患者さんから感謝される喜びや、仕事のやりがいを強く感じるようになりました。特に薬剤師として3年目を迎えた頃から、この仕事に対する情熱が一層深まっていきました。
海外研修で得た知識や経験は、実際の臨床現場で活かすことができ、がん患者さんに貢献したいという思いが強まりました。そのため、がん薬物療法に関する資格を取得することを決意しました。
資格取得後も、多くの患者さんと接する中で、「傾聴することの重要性」や、自分の言葉が患者さんを楽にすることがあるということを実感しました。
今後もこれまでの経験を活かし、患者さんに寄り添うとともに、薬剤師としてのスキルを同業者にも共有できればと思ってこのサイトを立ち上げました。
最後に
皆様がこのブログを通じて少しでも学びを得ていただければ幸いです。私自身も情報を発信する中で、さらに多くのことを学んでいけるのではないかと考えています。
ご意見やご質問がございましたら、ぜひこちらまでお寄せください。